(写真は2026年4月東吾妻町で撮影)
あーすわーむ主催のサイエンスカフェに参加させていただきました。軽井沢朗読館というとても素敵な建物で、辻明子先生のコウモリのお話を聞かせていただきました。とても分かりやすく楽しいお話で、コウモリにますます興味が湧きました。その後、観察へと向かいました。
座学で学んだこと:
・コウモリという種はいない。コウモリ目というグループは、哺乳類の中で大きな割合を占める。(世界の陸生哺乳類*5416種のうち1119種、日本の陸生哺乳類110種のうちコウモリ目は39種(つまり全体の1/3以上)*ウシなどの家畜や犬、猫などの愛玩動物は含まない。)
・オオコウモリ(果物を食べる。日本では南西諸島、小笠原諸島に生息。)とコガタコウモリ(昆虫など動物質のものを食べる。日本ではほとんどこのタイプ。)に分類される。
・体重の半分以上の量の虫を食べる。
・超音波で虫の位置を特定する(エコーロケーション)。バットディテクターで検出できる。周波数は種によって異なり、波形も種によって、CF(constant frequency)型、FM (frequency modulated) 型、QCF(quasi-constant frequency)型に分かれる。(グラフで見ると、それぞれ一 一 一、|||、L L L。)
・鳥の翼と違って、コウモリの飛膜には5本の指がある。
・動いていないときは体力温存のため、体温を下げている。地面にいると食べられてしまうため高いところにぶら下がって寝ていると考えられる。
・コウモリねぐらは、洞窟、コンクリートの橋桁の目地、民家や、タケニグサやマルバダケブキの枯れ葉(コテングコウモリ)、大径木の洞(ヤマコウモリ)の例もある。
・日本のコウモリは夏に出産する。
・キクガシラコウモリは鼻がパラボラアンテナのような形をしている。23年生存した例あり。コキクガシラコウモリは日本固有種。
・先生が「守る」活動をされているクビワコウモリは日本固有種で、長野県(乗鞍高原)にいる。
観察の記録(虫が発生する水辺にて):
まず1匹が高いところへ飛んでいきました。水の方では先生方がお持ちのバットディテクターでコウモリがいることが確認できました(辻先生によるとモモジロコウモリの可能性があるとのことでした)。虫の距離を測るための規則的だった音は、食べるとき(または直前)にはもやもやもやという音に変わりました。ライト(刺激を少なくするために赤いセロハンを貼ったもの)を照らしてくださったので、コウモリの飛ぶ姿も見ることができました。私はコウモリが水面ギリギリのところを飛ぶのは見たことがなく、また真上から見たこともなかったので面白かったです。バットディテクターで人間の耳には聞こえない音の世界を垣間見ることができて、また視野が広がった気がします。
また、ゲンジボタルが飛んでいました。もうそんな時期なのですね、と思いながら少し湿っぽい森の空気を味わいました。私がこのような観察会が有難いと思う理由の一つは、専門家の方に質問ができることのほかに、夜なのに自然の中に入ることができるということ。夜はいろんな動物が出てくるので1人や2人だけでは怖いのですが、人数が多ければ安心です。そんな安心感のなか、せせらぎの音を聞いたり、草の匂いをたくさん嗅いだりすることができました。私にとってとても贅沢な時間でした。
帰り際、イノシシの家族が目の前を横断していきました。動物が幸せに暮らす森にお邪魔させていただき、貴重な経験をさせていただきました。
私のコウモリエピソード
40年以上も前の話ですが、小学3年生のころに怪我をした(膜が破れていた)アブラコウモリが家の敷地に落ちてきた話をすると、クラスの男の子たち(今はどうしているのでしょう?)が生きた虫(蛾など)を捕まえてビニール袋に入れてもって来てくれました。食べさせようとしましたが、結局食べられませんでした。数日経って全然動かなくなり、ぶら下がっているのが片足だけになり、死んでいることが分かりました。そのことがずっと気になっていましたが、今回のお話から、果物を食べるオオコウモリは除いて、餌に大量の虫を必要とすることや密な集団生活をするということからも、コウモリを保護し続けることは難しかったと思いました(そもそも鳥獣保護法で禁じられていますが…)。
そして、最近の話ですが、4月下旬に嶋村先生の植物観察会で東吾妻町の金鉱坑道(結局、金は見つからなかったそうですが)を歩いたときに(コウモリを見に行ったわけではないのですが)、たくさんのコウモリが天井からぶら下がっているのを見ました。今回のお話からキクガシラコウモリだったことが分かり、親しみが湧いて嬉しいです。