万座しぜん情報館のツアーに参加しました。最初に石塚徹先生に軽井沢周辺に棲むカエルを教えていただきました。
ヤマアカガエル、アズマヒキガエル、シュレーゲルアオガエル、ニホンアマガエル、トウキョウダルマガエル(トノサマガエルと同じ系統)、ムカシツチガエル、カジカガエル、タゴガエルが棲んでいるそうです。(トウキョウダルマガエルとムカシツチガエル、気になります。)
さて、沢に入ると早速、石の下からタゴガエルの声が聞こえてきました。1年ぶりでした。木の上からはオオルリの声がしていました。



水の中には、ハナアブらしきもののの幼虫、トビケラやカワゲラの幼虫がいました。陸の虫では、シデムシというものを始めて見ました。


ハコネサンショウウオもいました。「かわいい」という言葉しか皆、思いつきません。先生に他の言葉で表現してみるように言われましたが、やっぱり無理です。


ハコネサンショウウオのメモ:
・肺がないため、えら呼吸から完全な皮膚呼吸に変わって陸上で呼吸ができるようになるまでに3年かかる。(クロサンショウウオは肺呼吸もするので3か月しかかからない。)
・動いているものを食べるので、共食いしてしまうこともある。
そして本日の主人公のタゴガエル。



タゴガエルのメモ:
・タゴは学者(田子先生)の名前から。
・卵のあるところにいるのは、オス。(メスは産卵後どこかへ行ってしまう。オスは別のメスを求めて鳴いている。)
・いつも水が滲み出しているようなところにいる。
・鳴いているのはオスで今の時期のみ。ちょうどフジの花が咲くころ。メスはリリースコールで鳴く(拒絶するとき)。
・カエルによって卵の産み方は異なるが、タゴガエルは少しずつではなく、1回でまとめて産む。(トノサマガエルも同じ。)
・オスの見分け方:①前足に抱きダコがある ②背中にひらひらしたものがある(長い間石の下に潜むので、表面積を増やして皮膚呼吸できるようになっている)③のどが黒い ④筋肉隆々(特に前脚)*メスの方が小さい(普通は逆。)
・1980年代の新種、ナガレタゴガエル(奥多摩)は「ひらひら」が激しく、水かきが大きい。
・オタマジャクシは尾が長い。(尾が栄養源になる。沢で流されないためにも有効。)
・カエルになってもそれほど遠くに行かず、沢沿いの森に棲んでいる。(他のカエルは遠くに行く。)
・遺伝子の研究が進み、タゴガエルの分類も進んでいくと思われる。
その他、カエルについてのメモ:
・シュレーゲルアオガエルはキリリリリと細く鳴き、モリアオガエルはコロロロロと太く鳴くが、モリアオガエルは体型によってはシュレーゲルアオガエルと似たような細い声になるので識別しにくいことがある(高標高地だと小型で細い声)。
・タゴガエルもアズマヒキガエルも、上陸したばかりのカエルは1円玉よりはるかに小さい。前者は赤茶で後者は黒い。
・カエルの生理的寿命は15年(例 飼育されたモリアオガエル)にもなるが、実際にはフクロウなどに食べられて3、4年程度。
・カエルの鼓膜は目の後ろの膨らんだところ。
ツアーの後の帰り道、オタマジャクシがたくさんいる場所に連れて行っていただきました。


そしてここでも、タゴガエルが鳴いていました。今日はタゴガエルの声にたくさん癒されたツアーでした。
それにしても石塚先生の研究心と洞察の深さ、生物への愛情にはいつも心を打たれます。観察の楽しさを教えてくださり、私の生活がどれほど楽しいものになっているか分かりません。少なくともタゴガエルに出会えた私は、出会えなかった場合よりも明らかに楽しい人生を歩んでいるように思います。これからどこかでタゴガエルの声を聞いたら、必ず今日のツアーの感動を思い出すことでしょう。
さらにカエルつながりで、先生に教えていただいたことをメモ:

昨年道路上で見かけた上陸したばかりの仔ガエルについて、カエルについて知れば知るほど分からなくなり、色もそれほど黒くないのでアズマヒキガエルではなく、ヤマアカガエルだったのかも?と思うようになりました。
しかし石塚先生にご確認いただくと、①吻端(ふんたん)が丸い②前足が長い(ヒキガエルは歩き回ることが多いため手足の長さの差が小さい)ことからヒキガエルだとのことでした。また、「一斉に上陸・行進するのもヒキガエルの特徴」だそうです。同定するための新たな視点を教えていただき、大変勉強になりました。(まだ、全然自信がないですが…。)