コムクドリのお話

(写真は昨年嬬恋村で撮影したコムクドリ)

4月3日、あーすわーむ主催のサイエンスカフェで石塚徹先生の『桜鳥の村・軽井沢①―コムクドリのおもしろ繁殖生態と高密度な繁殖地の発見』のお話を聴かせていただきました。

先生の鳥に関する著書を数冊拝読していましたが、先生から直接鳥のお話を聞くのは初めてで、感動いっぱいでした。感動しすぎると言葉にならなくなってしまうのですが、なぜ感動したかをあえて分析し、ここに記録しておきたいと思います。

<感動したこと>

・先生の調査の細かさ、精密さ
コムクドリの群れを追いかけて行き、写真を複数撮って1000羽以上の数を数えていらっしゃること。コムクドリの行動だけでなく、微妙な音声の違いを限界を超えているかと思うほどに聴き分けて認識されていること。そして、どこに住んでいるかも把握されていることに驚嘆しました。

・鳥から学べること
人間よりはるかに長い歴史をもつ鳥の行動から教わることがあると思います。今回は、子育て中の鳥の様子を他の鳥が見に来るお話や、ネコやヘビなどの危険が迫ったときに、種類を超えてたくさんの鳥が応援に集まってくるお話が印象に残りました。

・人と自然の関わり方への示唆
たとえば巣箱を作って掛けることにしても、それが自然にとってどのような影響を与える可能性があるかを説明してしてくださいます。鳥にとって安全な巣箱の掛け方も丁寧に教えてくださいました。
先生のお話を聞くといつも、自然が好きな私にとって何ができるのか、はっきりとした答えは分からないけれど、考えさせられます。そして考え続けることが私の生き方を作っています。

<学んだこと>

コムクドリは桜鳥とも呼ばれ、桜の実がなる時期に来るからという説もある。少し緑のある市街地に暮らす。キュリキュリ、柔らかい声のときは、「にゅる」と鳴く。長野ではどこにでもいるわけではなく、限られたところにいてそのうちの一つが軽井沢。帰るときは千羽以上集まって、もっと大きな集団に合流して渡り、ボルネオで5か月過ごす。

・1億5千万年の歴史の中で、1万種類の鳥が存在するようになった。日本列島ができる(1000万年前)前に大陸にいたコムクドリの祖先が、「地理的隔離」によって最近の100万年でシベリアムクドリとコムクドリに分かれた。今でも、両者は一緒に群れで移動することがあるが、結婚することはない(「生殖的隔離」)。
・コムクドリを含む渡り鳥が4~5月に日本に渡って繁殖する理由は、生まれたところに戻りたいとう帰巣本能によるのと、日本の5~6月は虫の幼虫が爆発的に増えるから。
・他の鳥から聴いて覚えた歌を、そのときではなく、次の年に歌えるようになる。
・メスが遠くにお嫁に行くことで、近親交配が避けられている。
・子育てを早く終えたり、子育てに失敗したペアが、他の鳥の子育てを見に来たり手伝ったりすることがある。たとえばエナガがシジュウカラの子育てを助けることもある。
・ムクドリの仲間は大群となって移動するが、リーダーがいるわけではない。いろいろな形になることで、天敵に狙われずに済む。

鳥の微妙な音声の違いを聴き分けるのは、音楽と通じるところがあると思いました。私は人間の音声学は研究したことがありますが、鳥は未知の世界です。でも、もっと丁寧に鳥の声を聴いてみようと思いました。まずは家の前の鳥からよく声を聴いてみます。


帰り道(夜)、道路の真ん中でムササビが寝ていて心配になり、車を降りて「危ないよ」と声を掛けると、すくっと起き上がりさささっと道路脇の木に移動して飛んでいきました。