ふるさと

地域で行われる行事には積極的に参加しています。少し前の話ですが1月に日本歌曲協会の演奏によるコンサートがありました。オペラ歌手と和楽器奏者の演奏で、心から感動しました。涙なしでは聴けませんでしたが、一緒に歌を歌う場面があり、「ふるさと」を歌ったときに涙が止まらなくなってしまいました。ちょうどステージの後ろに大きな窓があり、そこから見える美しい嬬恋の自然と、歌詞に出てくる情景が重なって見えました。

涙の原因はいろいろ考えられますが、まず、「兎追いしかの山」のところで、私の故郷はうさぎのいる「ここ」だと思いました(事実、私の森にはうさぎの足跡がたくさんあり、いつも追っています。)。小鮒は釣ったことがありませんが、村の清流にすむヤマメを想像しました。

「如何にいます父母」のところで、遠くにいる両親に思いを馳せ、私が移住することを許し、応援してくれたとき、さぞ勇気がいっただろうなあ、心配をかけてしまったなあと思い出していました。「恙なしや友がき」のところでは、お友達にも遊びに来てもらいたいけれど、やはり遠すぎるかなあと考えていました。

しかし最後の「志をはたして いつの日にか帰らん」のところでは、「ごめんなさい、帰れないです。ここが私の故郷になってしまったのだから…」と思い、「山はあおき故郷、水は清き故郷」のところで、まるで答え合わせかのように、「それって、ここ浅間高原のことですね!」と納得してしまいました。

コンサートの後も、演奏家の方々と地域の方々とテーブルを囲んでお話することができ、感動を分かち合うことができました。忘れられない一日となりました。


心の故郷というのは、人によって違いますね。好きな人がいるところかもしれないし、幸せな思い出が残っているところかもしれません。

欲張りな私は、ここを心の故郷と決めたとしても、頻繁に両親に会えるように、お友達にも会えるように、この距離をいかに乗り越えるかをいつも考えています。いつでも遊びに来ていただけるように準備し、さらに私自身もすいすいと移動できるようにフットワークを軽くしたいと思っていますので、よろしくお願いします。


写真は、近く(といっても、都会の感覚では遠いところかもしれませんが)の池のコハクチョウ。2月初旬に撮影しました。もうすぐ、冬鳥たちも故郷へと帰って行きますね。

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