2月21日、嶋村明先生とお友達と一緒に沼田市の老神温泉に金井竹徳先生が座長をされている「あけぼの座」の沼須人形芝居を見に行かせていただきました。
会場にはたくさんのひな人形が飾られていました。小松姫が亡くなった鴻巣市と沼田市の交流があり、鴻巣でも行われていたびっくりひなまつりを沼田でも行うようになったそうです。私の学生時代からの親友Sちゃんが鴻巣出身なので、思いを馳せました。



そして、人形芝居の会場に行きました。準備でお忙しいと思われるのに金井先生が人形芝居の歴史などについてたくさんのことを教えてくださいました。
沼須人形芝居は江戸時代(安政の時代)に伝わります。人形は旅芸人から質屋に預けられていました。沼須の金井仁左衛門氏(先生のご先祖様)がそれを買い求められ、人形芝居が始まりました。明治時代に最盛期を迎えましたが、戦時中に活動が途絶え、戦後昭和29年に沼須村が廃村となる際に上演されました。昭和49年に先生のお母様の代で人形が沼田市の文化財となり、昭和50年に「沼須人形芝居保存会あけぼの座」として復活、先生は9代目でいらっしゃいます。
文楽と違って、沼須人形は1人で扱います。利き手に傘などの小道具を持ち、人形ののどから出ている串(ぐし)を利き手でない方の人差し指と中指で挟んで動かすそうです。その持ち方ゆえに、顔に微妙な角度がつき、さまざまな表情が出るのですね。
最初の演目は寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)でした。五穀豊穣を祈る舞で、神聖でおめでたい演目です。鈴の音がとても印象的でした。



次の演目は、「傾城阿波の鳴門巡礼歌之段」でした。このお話はあまりにも悲しすぎるので、途中までのお話にしてくださっていたようです(それでも十分に悲しすぎるのですが)。お母さん役を中学生の方がされていたのですが、とても上手で驚きました。同じ人形の顔でも、笑っているように見えたり、泣いているいるように見えたり、いろいろな顔に見えるのです。セリフをしっかり覚え込まれていらっしゃるご様子。どれほど練習を頑張ってこられたことでしょう。音は読み手の方と三味線だけなのに、その分集中できるのか、すっかり惹き込まれました。


昼食を一緒に食べましょうと誘っていただき、あけぼの座の皆さんとお蕎麦をいただきました。皆様親切にしてくださって、沼田のこと、文化のこと、農業のことなど、たくさん教えてくださいました。まるで親戚の集まりに参加させていただいているような気持ちがしました。今思い出しても、心が温かくなります。
そして、最後に大蛇みこしを拝見させていただきました。赤城山の神様(蛇)と日光男体山の神様(ムカデ)が争い、傷を負った蛇が老神に来て、剣を指すと温泉が湧きました。そして元気になってムカデを追い出したので、「追い神」と呼ばれるようになったそうです。大蛇祭りでは、この108mの蛇を担いで温泉街を練り歩くそうです。印象に残っているのは、この蛇さんはとても可愛らしいお顔をされていること。そして、この蛇さんのサイズに合わせて展示館がコの字型に作られていることです。蛇の神様がいらっしゃるからか、老神温泉はとても神聖な場所のように感じました。


1月に続きこのときも、沼田で文化を守ることの大切さを学ばせていただきました。金井先生が多くの方々と家族のように接しておられ、若い人材を育てていらっしゃるご様子を拝見し、心から感動しました。私も、自分の村の文化を守るお手伝いができるように、金井先生のお姿をしっかり目に焼き付けて行動に移したいと思います。
帰り道、赤城山の河岸段丘を見て、蛇が上って帰って行った様子を想像しました。