先週、万座しぜん情報館と石塚徹先生の引率で、池にクロサンショウウオを見に行きました。まず、熊の生息地に入っていくにあたり、普段、熊の監視員をされている方から、身の守り方を教えていただきました。私は普段から熊鈴を持ち歩き、見通しの悪いところは通らないようにしていましたが、たとえば笹が多くて見通しが悪いところを通る際にはヘルメットが必須だと学びました。(ヘルメットをかぶった状態で、地面に伏せて手で首を守ります。背中はザックが守ってくれます。)
普段はこのブログに写真をたくさん載せていますが、自然を守るためにも今回は最小限の記録だけにとどめたいと思います。
<学んだこと>

クロサンショウウオは雪解け後、数キロ離れた森から池にやってくる。身体が渇くといけないので、雨の日に移動することが多い。池ではオスが縄張り争いをして、メスを待つ。ベテランのオスは体格がよく(16cmぐらい)、長い間水中にいるため、皮膚が皮膚呼吸に適した形状(ぼこぼこして表面積を増やしている)になっている。
メスは水中に沈んだ木の枝などに一対の卵塊(100~150個の卵が入っている)を産み、それが水中で膨らんでアケビの実状になる。メスは産卵後、森へと帰っていく。

クロサンショウウオが池まで、あんなに小さな体で数キロも這って歩いてきたと思うと感動します。それから、メススジゲンゴロウもいました。氷河時代からの生き残りで、冷たいところでしか生きられません。

その他、ヤマアカガエルとそのオタマジャクシ、ヤゴ、トビケラもいました。

一番印象に残ったのは、石塚徹先生の生物に対する愛情でした。クロサンショウウオは冷たい水にしか生息できません。観察や測定のために水槽に水と一緒に入れても、太陽のあたるところでは水が温まってしまいます。先生は何度も「かわいそう」とおっしゃり、参加者たちも一斉に「かわいそう」という気持ちになり、太陽の光を遮るように立ってなんとか日陰を作りました。観察が終わって冷たい池に放流すると、すいすいと元気に泳いでいきました。
ツアーには子どもたちが参加していました。先生と子どもたちとの会話も愛情に満ちていて、こんな風にして生き物を大事に思う気持ちが伝わっていくのだなあと感動しました。
(一番上の写真はミズバショウ。熊の好物です。)