先週、25年ほど前までお世話になった大学院の先生のご退職のお祝いのため、久しぶりに京都に行きました。先生のご家族のみならず、ゼミでお世話になった先輩方にもお会いでき、まるで同窓会のようで本当に懐かしかったです。
先生から学ばせていただいたことはあまりに多いのですが、一番懐かしく思っているのは、毎週木曜日に行われたさまざまな言語、さまざまな時代の文献の読み合わせの会でした。ルネサンスからマニエリスム、バロック時代にかけて書かれたイタリア語やラテン語の原文を解読し、難解な文章に出会うたび、先生と先輩からお知恵をいただいて解釈の仕方を学びました。思えば、私が言語の仕事に携わるようになったのは、ここが原点だったと思います。今でも翻訳や通訳で、辞書にはない言葉を選ぶのに苦労をすることがありますが、あきらめずに仮説を立ててこういう意味ではないか、こう表現できるのではないかと、とことん考え抜くのが辛くもあるけれど、やはり楽しくて自分らしいと思えるのは、読み合わせの経験のおかげだと思います。
また、哲学がご専門の先輩に、ご著書と今の私に必要な哲学の本を教えていただきました。大学院で学んだことと、今私が自然から学んでいること、そしてこれから自然観察と畑作を通してしたいことがつながりそうな気がして嬉しかったです。今日は、図書館で『世界哲学史』という本を借りてきました。楽しみに拝読します。
(写真は松本空港。飛行機では、シャトレーゼのお菓子とお茶が出され、美味しくいただいていたらあっという間に神戸に着きました。)