新年度を迎える前に、昨年の行事の振り返りです。この見学会はまだ移住したばかりの8月に、初めて勇気をもって申し込んで参加した行事です。解説がとても楽しくて、緊張がほぐれました。

熔岩樹型は、国の特別天然記念物に指定されています。熔岩樹型といっても、ここは溶岩ではなく、吾妻火砕流が流れ込んだところなので、正確には「火砕流樹型」なのだそうです。天明の噴火のときに、数回にわたる火砕流(12mの厚さが堆積)が樹林の中を流下した際、樹木の周りに火砕物が取り囲み、多くの樹木が垂直のまま焼けて、そこに空洞が残りました。堆積物が溶結していることから火砕流は700度以上の高温だったと推測されているそうです。地面に大きな穴があいていることから、巨木が多く存在していたことが分かります。元は、江戸幕府の御林だったそうです。



環境省の方の監督の下で穴の中に入らせていただきました。この種類の梯子に慣れていませんでしたが、温かいご指導の下で降りられました。穴はとても深く、すっぽり入ってしまいました。穴の中には炭化した木片がまだ残っていました。これではありませんが、6mぐらいの深い穴もあります。

熔岩樹型地の上の方には、鬼押出し溶岩が流れた跡が見えます。

さらにその奥を歩いていると突然空気が冷たくなりました。そこには風穴があり、その時は夏でしたが、1℃の空気が流れ出ていて、自然の冷蔵庫のようでした。


風穴は高低差を持つトンネルのようになっていて、地下水に接する下方の温度が上方の温度よりも低いため、密度差が生まれ、密度の大きい冷たい空気が下方の穴(冷風穴)から出てくるという仕組みです。逆に、冬の場合は、夏の間にトンネルに入り込んでいた暖かい空気が上昇し、上方の穴(温風穴)から出て行き、積雪よって冷やされた空気が冷風穴から入り込みます。
最後に、倒れるおそれのある木を切り倒す様子を見学しました。チェーンソーで切り込みを入れた後、子どもたちが木からつないだロープを引張り、無事に倒すことができました。
初めての見学でしたが、ここを起点にもっともっと自然のことを知りたいという気持ちが強くなり、今に至ります。また、ここで出会ったスタッフの方々には、この後も何度もいろいろな勉強会や探検でお世話になることになります。
熔岩樹型は放置すると枯れ葉や土砂が入り込んでしまうため、保護員の方々が除去作業をされています。私もいつかお手伝いしたいです。(まず、梯子を上手に降りられるようにならなければなりません。)